看護の未来を拓くために

 訪問看護の役割とは  私たちNPO法人あさひかわナースハーモニーは、地域に根差した看護の発展と、訪問看護を通じた質の高いケアの提供を目指し、今夏、訪問看護ステーションの開設を予定しています。この取り組みは、子どもや若者が安心して成長できる環境を整えるとともに、医療的ケアが必要な方々が住み慣れた地域で自分らしく暮らせるよう支援することを目的としています。旭川が子育てしやすい街となるよう、医療と教育、福祉の連携を強化し、包括的なサポートを提供していきます。

地域で求められる訪問看護  

 日本では、不登校やいじめ、引きこもりの問題が深刻化しており、子どもたちが安心して過ごせる環境づくりが求められています。また、医療的ケア児や発達特性を持つ子どもたちにとって、適切な医療と学習支援の両方が重要です。こうした中で、訪問看護は、医療と教育、生活をつなぐ重要な役割を果たします。

 今夏開設予定の訪問看護ステーションでは、看護師が自宅や学校、フリースクールに訪れ、健康管理やメンタルヘルスのサポート、学習支援を行います。これにより、子どもや若者が安心して学び、成長できる環境を整え、家族の負担軽減にもつなげます。また、高齢者や障がいのある方々のケアも同時に提供し、誰もが住みやすい地域を目指します。

不登校やいじめ、引きこもりの方々のサポート  

 私たちは、訪問看護を通じて、医療的ケア児や、不登校・いじめ・引きこもりの問題を抱える子どもたちへの支援を強化していきます。市内では、訪問看護で学習サポート(教育)を行っている事業所はあまり見られません。私たちは、看護の視点から学習支援を含めた包括的なサポートを提供し、子どもたちが安心して自分らしく過ごせる環境を整えたいと考えています。

 また、これらの子どもたちは、適切な医療支援だけでなく、心のケアや社会とのつながりが必要です。そのため、医療・福祉・教育の各分野が連携し、一人ひとりに合った支援を提供できるよう努めます。

フリースクールひなたぼっことの連携  

 私たちは、地域の教育機関とも協力しながら、支援の輪を広げています。特に、フリースクール「ひなたぼっこ」との連携を深め、不登校や引きこもりの子どもたちが医療的サポートを受けながら、安心して学べる環境を整えています。

 訪問看護師がフリースクールを訪れ、健康管理やメンタルヘルスのサポートを行うことで、子どもたちの生活の質を向上させることを目指します。学校へ通えなくても、学びの機会を失わずに成長できるよう、医療と教育の両面から支えていきます。

ヒューマンキャンパスのぞみ高校旭川学習センターとの連携  

 また、通信制高校であるヒューマンキャンパスのぞみ高校として初の看護・介護コースを設置した旭川学習センター(かむいサンビレッジスクール内)とも連携を強化しています。地域では医師や看護師が不足している状況があり、早い段階で医療・介護の現場に触れる経験を提供することで、生徒たちが医療や福祉の仕事に興味を持ち、将来のなり手を増やすことに貢献することを目指します。

地域で支え合う医療の実現  

 訪問看護は、看護師だけでなく、医師、リハビリスタッフ、介護職員、福祉関係者など、多職種との連携が不可欠です。こうした協力体制を強化することで、地域全体で包括的なケアを提供し、住民の健康を支えることができます。

 私たちは、地域の皆さまと協力しながら、今夏開設予定の訪問看護ステーションの運営を進め、訪問看護の質を高め、より多くの方が安心して暮らせる環境を整えていきたいと考えています。この取り組みを成功させるためには、多くの方々のご理解とご支援が必要です。共に看護の未来を拓き、地域全体で支え合う医療・福祉の仕組みを築いていけることを願っています。

あさひかわナースハーモニー